未来のない優しさ

隠しておけない本音。

ようやく…俺が望んでいた人生を生きていく事ができる…。

柚と寄り添い共に生きていく。
これまで苦しみばかりだった柚を二度と泣かすなんてしない。

「…柚を幸せにするのと同じくらい…望も幸せにしてもらえ」

二人、寂しい気持ちを紛らわせるためだけの日々を振り返ると情けなくなるけれど…。

その相手が望で良かったと思う。
もう二度と会う事もないだろうけれど。

お互い見つめあうだけで、きっと望も同じ事を考えてるだろうとふっと息を吐いた時。

「遅くなって悪い」

背の高い男性が現れた。

会食の相手がようやく登場して、一瞬で仕事モードに切り替える。

けれど。

立ち上がって軽く挨拶をしながらも、気持ちは柚との入籍で弾んでいた。