未来のない優しさ

「今まで飲んでたのか?」

笑いをおさえたような声。

「月曜から飛ばし過ぎだろ。俺の車乗っけてやるから帰るぞ」

「…は?乗っけてって、どういう…」

何を言ってるのかわからない。
もしかしたら今から迎えに来てくれるの…?
…なんて事ないだろうけど。

「ねえ、どうしたの?」

遠巻きに様子を見ている三人を気にしながらも、健吾の電話に心が弾むのを感じてしまう。

「足、結構辛いんじゃないの?」

「え…?」

「ちょっと引きずり気味に見える」

どうだ?

とでも聞こえてくるような自信ありの言葉が、一瞬にして私の思考を占領してしまう。