未来のない優しさ

翌朝早く、ようやく帰ってきた健吾は見るからに疲れていた。

ベッドに入ったものの健吾の事が気になって眠れないままだった私がリビングに行くと、ソファに横になっている健吾。

ネクタイは外されて、仰向けに寝たまま動かない。
目の上に左手をのせて軽く息をついている姿はかなり疲れている…。

「お疲れ様」

ソファの傍らにひざまずいて、健吾の胸にそっと手を置いた。

「忙しいの…?
晩御飯食べた…あ。
食べたのか」

お腹がすいているか気になって聞いたけれど、

『ミックスサンド』

を思い出して声も小さくなった。
きっと、望さんと一緒に食べたはず…。
思い出した途端に胸が一気に重くなる。

「ミックスサンド?…あぁ食べたけど何で知ってるんだ?」

腕を下ろして私を見る健吾の不思議そうな目。
やっぱり疲れてる。

ゆっくりと手の甲で頬を撫でると、返される優しいまなざしにどきっとしてしまう。