未来のない優しさ

望。

その女性は何度か見たことがある。
背が高くて細身の綺麗な人。
健吾の傍らに寄り添って笑っていた。

健吾と一緒にいる女性は何人か見たけれど、何度も一緒にいる人は望と呼ばれていたあの人だけ。

同じ弁護士事務所で働く弁護士。

それくらいしか彼女のことは知らないけれど、健吾との間に漂う空気には特別な温度を感じていた。

きっと、恋人だったんだろうな。
あんな綺麗な人との時間はもう終わったのかな…。
まだ同じ事務所で働いてるのなら、二人の間に特別な絆が残ってるはず。

私は健吾がミックスサンドが好きな事も知らなかったし…。

悔しくて寂しくて切ない…。

私が知らない健吾を知っている望さんは、今この瞬間も健吾の側にいるんだ…。