未来のない優しさ

溜息まじりの本音。

まだ少し気分が悪くて愚痴っぽくなってしまう。
体にたまった疲労感が、なんだか気持ちまで疲れさせてるみたい。

トラブル対応や新しいシステム開発の初期立ち上げ…誰もが積極的に関わろうとしない仕事も、難無く処理してきた実績。

それが私の仕事量を増やしている。

「柚の体には限界があるんだからね。
健吾さんと少しでも長く一緒にいられるように、人生の優先順位はちゃんと考えなきゃ」

少しずつ大きくなる華穂の声が、彼女の心配の度合い。

「…了解」

そう言って軽く笑うしか今はできない。

仕事と体調のバランスが崩れてる今、華穂の言葉に揺れてしまう…。
生きるために仕事に気力を注いできた時間。
これまでの私が過ごしてきた時間を否定はしない。
その時間が今の私を作っているんだから。