未来のない優しさ

とりあえず、あと半日。
倒れないようにしなきゃ。

「今日も、健吾さんが迎えに来てくれるの?」

「ううん…。今日はどうしても仕事の段取りがつかないから無理だって。

で…。

孝太郎が送ってくれる事になってるんだけど…」

隣りで不安げに私を見つめていた華穂の体がビクッと震えた…?
ゆっくりと華穂の顔を見るけれど、その表情からは何も読み取れない。

「健吾が勝手に電話して頼んじゃって。
孝太郎も来週から春井で忙しいから断ったんだけど…」

「そっか。

健吾さん、柚が心配で仕方ないんだね。

…とにかく、今みたいに体調悪いと仕事なんか放って体休めなきゃだめだよ」

「ははっ。
わかってるんだけど、なかなか無理…。
どういうわけか、そつなくこなしちゃうから頼られちゃうし」