未来のない優しさ

「健吾さんが気持ち変えるなんて思えないけど…」

「うん…。健吾の事は信じてるけど、いつ何が起きるかなんてわからない。
それは私が一番わかってるから」

そう、事故に遭うなんてあの時考えもしなかった。
幸せも悲しみも、人の努力だけで生まれるものじゃない。
見えない力を運命というのなら、どんな運命にも折り合いをつけられる覚悟が幸せを呼び込むんじゃないかと思う…。

これからの私には、その見えない力を柔らかく受け入れながら強く生きる力が必要。
健吾の傍らで笑えるならば、どんなに強くなれるか…。

「もしも健吾が他の女の子に気持ち移してしまいそうになったら…

すがりついて大声で
『好き』なんて言えたら
私に本当の自信が持てたって事なんだろうな…」

思わず出た本音…。