未来のない優しさ

「ふーん」

何だかからかうような視線を向ける華穂。
何かおかしな事を言ったかな…?

訳がわからない私の表情を見て更にくくっと笑う華穂に戸惑っていると。

「ようやく笑って話せるようになったね」

「…え?」

食堂でランチを終えて、まったりとコーヒーを飲んでた流れそのままに。

ふっと力を抜いた笑顔を向けた華穂は安心したように肩をすくめた。

「健吾さんとの結婚の事、全然前向きじゃなかったのにね。
今はすごく穏やかに受け入れてるのがわかるもん」

「…そうかな…?」

「不安がなくなったの?
やっぱり指輪は偉大だね」