未来のない優しさ

美晴の態度に呆然としながらも、普段とは違う俺の様子が望のツボにはまったらしい…。

「…さ。忙しいからとっとと言いたい事は言ってくれ」

気を取り直して美晴に声をかけると、唇を噛み締めながらきつい視線を俺にむけたまま。

ベビーカーに掛けられている鞄から取り出した
雑誌を開くと…。

「柚ちゃんと結婚なんて
許さない」

「…は?」

俺の目の前にばんっと
出されたのは。

柚の顔がアップで出ているページ。
カメラには気付いていないような…多分会社から出て来たところ…。

「かわいいな…」

思わず呟いた俺に、美晴の目が信じられないとでもいうように見開いた。

「次のページ見て」

「…?」

雑誌を受け取って、言われた通りにページをめくると

「うわっ」

思わず声をあげて、くいいるようにじっと見るページには。

柚と俺の姿が…。