未来のない優しさ

ホテルのレストランで遅いランチを食べた後、唐突に連れて来られたのは。

最上階にある結婚式場。
あらかじめ連絡をしていたのか、健吾の大学時代の友達が顔を出してくれて案内をしてくれた。

衣装合わせも和装ばかりだったけど、式場もまっすぐに向かったのはチャペルではなくて、神殿だった。

結婚に向けての素早い動きにびっくりしているけれど、和式の挙式にこだわりを見せる健吾に疑問も感じる。

自分の意思を貫く性格には慣れてるとはいえ…。

私を花嫁にしたいなら、私の意見もちゃんと汲んで欲しい…。

「新郎側、新婦側それぞれ20名の参列ができる。
親戚の並び方だとか、打ち合わせで聞かれると思うよ」

黒のスーツに身を包んだ健吾のお友達…真田さん
は、神殿内を案内しながらいろいろ説明をしてくれる。