カーペットが敷き詰められた部屋に連れて来られてかれこれ1時間。
白無垢に始まって色打掛の試着が延々と続いている。
試着室から出て健吾がデジカメで都度撮影してまた違う柄を着て…。
「やっぱり色は赤が似合うな」
とか
「綿帽子じゃなくて角隠しが好みなんだけど」
とか。
どう見ても、健吾は心底楽しそうに私の着せ替えを楽しんでる。
着替えもなかなか体力いるし、体の傷痕を他人に見られるのを躊躇していたけれど、私が結婚衣装を身につける姿に目を細める健吾を見るにつれて、心も軽くなって、私自身も楽しめるようになってきた。

