未来のない優しさ

「その指輪…返して」

健吾の首にさがってるチェーンに手を伸ばすと、

「お役御免って言っただろ?」

伸ばした左手を掴まれて阻止された。

あれ…。
今キラキラと何かが光った…。

掴まれたままの手と、ニヤリと笑ってる健吾の顔を交互に見ていると、

「俺だけのもんって他の男への牽制にはぴったりだろ」

ゆっくりと、健吾の手が私の手から離されて…

「うわ…っ」

現れたのは、薬指にはめられた指輪。

プラチナにダイヤが3個
並んでる。
窓から差し込んでる朝日に照らされてキラキラと
放つ光が眩しい…。