未来のない優しさ

｢前に言ったけど。

将来、俺だけを愛してくれる女が現れても。

俺の華穂さんを愛する気持ちが揺るがない自信があるから。

一生大和さんを想う気持ちを抱えていてもいいから、俺のもんにしたい｣

一語一語、華穂の体に
流し込むようにはっきりと言い聞かせる孝太郎があまりにも格好良くて、傍らで聞き惚れてしまう。

孝太郎も今までずっと
言いたくても言えなくて抑えてきた想いなんだろうな…。

華穂を抱きながら、大きく息を吐いて笑ってる。

｢男前だね、孝太郎｣

からかい気味に声をかけた私にも、柔らかな笑顔を向けると

｢今更気付いて惚れないで下さいよ｣

あっかんべまでして。

そして、また大きく笑った。