未来のない優しさ

「華穂…」

どう声をかけていいのかわからない。
カーペットにぺたんと座り込んでる華穂の小刻みに震えてる肩を見ると
どれだけ傷ついているのか…。

大和君の事を、ずっと長い間好きで。
大和君が私を想ってくれた過去も受け入れて一筋に大和君だけを見ていた。

いつか…二人が本当に愛し合って幸せになるよう
願ってた。

「柚…」

ソファに隣同士で腰掛けてた健吾の腕が、そっと 私の腰に回されて、何だか…ホッとした。

健吾にとって、華穂の話は聞いて気分のいい話じゃないはず。

それでも、今は何も聞かずに寄り添ってくれる。
優しくて不安気な瞳を私に向けて。