それまでプロジェクトの為に注いできた時間と苦労を振り返ると、やっぱり参加したかったな、と考えてしまう。
設計業界から注目されている大きな仕事に携わる責任とやり甲斐を感じながら進めてきただけに、悔しさも確かにある。
本腰を入れて、さあこれからって時にチームから外されて…。
そして、私の代わりに春井に派遣される事になった孝太郎に怒涛の引き継ぎが始まった。
会議室一つを一日借りきってのレクチャーは、なかなか根気のいる作業。
飲み込みのいい孝太郎相手でも、プロジェクトの進捗状況やこれからの展開。
現在確定しているプログラムの内容…
教える事がありすぎて、逆に笑ってしまう。
他人が見たら、すごく余裕あるように感じるんだろうな…。

