未来のない優しさ

健吾の体をそっと押し返して、瞳をうかがうと。

涼しい顔をしながらも、深く悩んでいるのがわかって、少なくはない驚きがじわじわと胸に広がった…。

「…何で…?
健吾、勉強もバスケも努力してたよ…。
みんな、ちゃんと認めてたのに…」

少し混乱したままそう
つぶやいても、健吾の反応は鈍くて…訳がわからない。

「大したことない人間じゃなかったよ。
私にはもったいないくらいの彼氏だった」

「周りからこう見られたいって思いながら、優しさを出して生きててもか?」
「え…!」

「あの日マネージャーと出かけたのも、断って…嫌われたくないし周りにも冷たいって思われたくなかったからだ」

自嘲気味に笑いながらも不安を顔に浮かべながら話すと小さく息を吐いた。