未来のない優しさ

ソファから健吾の膝の上に転がるように落ちて。

首筋に感じる健吾の唇。
背中に回された手が震えて冷たい。

「…どうしたの?」

ゆっくりと健吾の背中に腕を回して撫で下ろしながら聞いても、私を抱きしめる腕に力が入るだけで。

「健吾…?」

「…まだ体は悪いのか?」

あ…。
やっぱり薬の事が気になるのか…。

くぐもった声と隠れた表情が、よけいに健吾の不安を伝えてるようで申し訳なくなる。

薬一つでこんなに心配している健吾を想像するなんてできなかった…。

いつも強引で何でも一人で決めて進めていく姿ばかり見てたから。