未来のない優しさ

大和君の後に続いて会議室に入ると、部長の話を待った。

並んだ椅子の一角に三人で座ると、部長の複雑な声が私の気持ちを心細くさせる。

嫌な予感…。

「昨日の楓銀行のトラブルは…お疲れだったな」

「いえ…。間に合うように復旧できて良かったです…」

少し距離をとり、警戒して答えた…。

「とっくに担当を外れてるのに呼び出して悪かったな。
で…大和とも相談したんだが」

「…」

私への部長の言葉に胸騒ぎがした。

「今後のトラブル対応の事も考えて、春井のプロジェクトには行かずに本社に残って欲しいんだ」

やはり…、嫌な予感は当たる…。