未来のない優しさ

大和くんは、静かに私を見て微かに笑った。

昨日告げられた大和くんの気持ちをちっとも感じないその表情に、少し戸惑いながら。

「部長…何かトラブルですか?」

不安げに聞く私に苦笑しながら、部長は立ち上がり

「場所移そうか…」

私と大和君を、会議室へと案内した。

トラブルではなさそうだけど、どんな話なんだろう…。

大和くんに視線を向けると、大丈夫、とでも言いたげに頷いていた。