未来のない優しさ

「完了…かな」

パソコンの画面に集中していた体を伸ばすと、いたる所がぽきぽきと悲鳴を上げる…。

昼食後一気に確認を終えた資料を片付けて、コーヒーを飲もうと立ち上がった途端少し離れた席から部長の声が私を呼び止めた。

「川原、いいか?」

振り返ると、部長が私に向かって手招きしている。

「あ…」

部長の前に立っている姿に気付いたと同時に緊張感が歩くスピードを緩める。

「大和くん…」

昨日、あからさまに気持ちをぶつけられて、謝るしかなかったあの時間が頭をよぎる。