未来のない優しさ

そんな俺が、自分の世界を守る為に冷淡になって…。

他人がどう思うかなんて考えなくなって。

唯一、望の気持ちは読み取る自分に驚いていた。

きっと望も俺の事は大切に考えてるんだろう…。

それでも、結婚して確実に他の男のものになって、二度と会う事がなくても。

寂しいと思わないのも事実で。

絶えず俺の側に置いておきたい柚とは存在意義が違うと気付く。

柚…。

俺が過ごしてきた時間をどう思う?

そして。

高校の時の八方美人な俺を…許せるのか?

もし許せなくても、もう手放せない…。