未来のない優しさ

ふっきったように体を俺に預けてきた。

まるでそれしか望んでいないかのような激しいキスに俺自身驚いてしまった。

優しく応えてやると、嬉しそうな吐息が聞こえる…。

視線を会社の玄関に戻すと、苦しそうに顔を歪めている大和…。

…俺のもんに手出すなよ。

心でそうつぶやき、柚から与えられる熱い喜びに、意識を戻した…。