「女の子なら『杏』
男の子なら…『凜』」
「…!」
二人で夢心地で話していたあの日。
結婚も出産も当たり前のように未来のどこかでできると思っていた。
私の将来には健吾がいて、絶えず笑っていて。
高校生の男の子が、恋人との未来を素直に口にするなんて照れてできなくて、健吾もそうだった。
私一人で子供の名前まで考えて騒いでいた。
苦笑しながら聞いてた健吾が…あれから10年以上たった今も覚えてるなんて。
『杏』は、美晴ちゃんの子供の名前につかってもらったから思い出したかもしれないけど…。
『凜』まで覚えてくれてるって…。
それだけ、子供を持つ事を楽しみにしてたんだな…。
ずんと心全てが重くなって、健吾を見るのも辛くなる…。
やっぱり、子供を産めない私には健吾との将来を望むなんて図々しい…。
わかっているけど、受け入れてるけど…。
男の子なら…『凜』」
「…!」
二人で夢心地で話していたあの日。
結婚も出産も当たり前のように未来のどこかでできると思っていた。
私の将来には健吾がいて、絶えず笑っていて。
高校生の男の子が、恋人との未来を素直に口にするなんて照れてできなくて、健吾もそうだった。
私一人で子供の名前まで考えて騒いでいた。
苦笑しながら聞いてた健吾が…あれから10年以上たった今も覚えてるなんて。
『杏』は、美晴ちゃんの子供の名前につかってもらったから思い出したかもしれないけど…。
『凜』まで覚えてくれてるって…。
それだけ、子供を持つ事を楽しみにしてたんだな…。
ずんと心全てが重くなって、健吾を見るのも辛くなる…。
やっぱり、子供を産めない私には健吾との将来を望むなんて図々しい…。
わかっているけど、受け入れてるけど…。

