未来のない優しさ

不意に抱き上げられた体はそのまま浴室に連れて行かれた。

嫌がる私なんて全く無視したまま、健吾と二人で初めてシャワーを浴びながら…更にたくさんの花をつけられて…。

「結婚はするから」

…そう何度も言われても。

シャワーの湯気の向こうにある表情はよくわからないけれど、その声から伝わる決意には、どうやっても逃がしてもらえないような重みがあった…。

「…無理なのに…」

小さくつぶやく私の声は、シャワーの音に消されて…きっと健吾には届かない…。