未来のない優しさ

「他にいない。今まで誰もいなかったなんて言わないけどな…。

結婚したいのはお前だ」

激しい口調で一気に言われて。

そんな事思っちゃいけないのに…

嬉しい。
想像以上に幸せで幸せで。

「…ありがとう」

思わず本心が飛び出してしまう。

女なら、プロポーズを夢見て憧れて、いつかその日が来るって信じて大人になるけど、そんな時間なんて全く持たずに…諦めて過ごしていた私。

正直、夢心地で嬉しい。

それも、ずっと愛してる健吾からのプロポーズなら。

幸せすぎる。

それでも…。

「ごめんね」

結婚できない…。

心全ては健吾の奥さんになりたいって…一生隣にいたいって叫んでる。

それでも無理だから…。