未来のない優しさ

その勢いのまま健吾に抱き着いた私をしっかりと離さず。

膝に置いた私の体を優しく撫でる健吾は、大きく息を吐いて

「…遅い」

「は?」

「働きすぎ。…晩飯は食ったのか?」

首筋に唇を這わせながらつぶやく健吾…。
表情が見えなくて、この状況への戸惑いが倍増してしまう。

背中を動く指に反応する体…。
鎖骨にかかる吐息…。

どんどん鼓動もはねあがる。

「まだ…食べてない」

「…そのうちぶっ倒れるぞ」

健吾の手が、ブラウス越しに私の胸を覆い、優しく包みこむ。

「健吾…だめ…んっ」

後頭部を引き寄せられ、深いキスが落とされる…。
何かを伝えてるような激しく奪われるようなキス。