未来のない優しさ




昨日に続いて今日もくたびれ果てた体で玄関のドアを開けると、何故かリビングから明かりが洩れている。

朝消し忘れて出かけたのかな…。
健吾と二人、ギリギリまでベッドにいたせいで慌てて会社に出かけたし。

でも、暗い部屋に帰るよりも気持ちが和むな…。

とにかくお風呂に入って寝よう…そうぼんやり考えながらリビングに入ると…。

「え?」

テーブル一面に書類を広げてノートパソコンを叩いてる…

「健吾…どうして…」

何で部屋にいるの?

「どうやって入ったの?」

か細い声で聞くと、集中していた手を止めて視線だけを私に向ける。