取り敢えず店に着いたのはいいんだけど、 ……混みすぎじゃね? ぐるぐると渦巻く行列。 これに菜美も一緒に待ち続けさせるなんて出来ない。 だから席に座っておいてもらうことにする。 そして俺が一人並んでいると、後ろから肩を叩かれた。 「光樹く~んッ!」 「…前田さん?」 クラスメイトの前田。 ぶりっこで女子からは嫌われてる。 でも馬鹿な男どもは、コイツの甘ったるい気持ち悪い声で騙されてる奴も多いらしい。 やけにボディータッチの激しいコイツは俺の天敵だ。 「光樹くん、何してるの~?」