「それでね、そのときねー…」


美紅はまじでよく喋る。

俺は口数少ない方だし、バランスはいいのかも。


チラッと時計を確認。


「んじゃ、そろそろ行くか」


「え?わっ、もう時間!?」


夢中になると美紅は回りが見えなくなる。

集中力は人一倍なんだけど。




「竜弥はいつも冷静に回りを見てるよね」


「冷静?」


「うん♪竜弥に任せてたら安心するもん」


美紅はそう言うけど、実際はそんなすごいもんじゃない。


美紅が楽しみにしてた映画。

何が何でも一緒に観たいと思っただけ。