金魚玉の壊しかた

奇妙なことに気がついて、笑いがこみ上げる。

なんだ、私も同じではないか。


この偽りの世界の中で、何か期待されても──
たった今、遊水が口にしたようなことを期待されても──

私にも応えることはできない。


応えようとすれば、透明なびいどろの中の水はたちまちドロドロの現実と混じり合って──周囲を巻き込んだ泥沼と化すだろう。

綺麗に透きとおって輝いていた恋は、きっと貫こうとした途端に全く異質の醜いものに変わってしまう。


私にとって恋というのは──


「花のようなものかもしれないな」


ぽつんと、呟いた。


「あるいは、金魚玉の中の金魚かな」