金魚玉の壊しかた

何度も耳にした響きを繰り返して、遊水はニヤリとした。


「Ta tu alainn……さっきのは──

『君が綺麗だ』と言ったのさ、絵師センセイ」


私の反応を面白がっているように、
さらりと楽しそうにそう告げた金髪の魔物を前にして──





円士郎の大馬鹿者……!!





私は掻き乱された心で、毒づいた。


危険がないどころか──とんでもない女殺しじゃないかこの男!

私の心の臓は、もう既に何度も致命傷を受けて瀕死の重症だ。


こんな刺客を送り込んで──

私をどうしようと言うのだ、あいつは!


「ゆ、遊水という名も──金魚職人としての号じゃないのかね?」

私は何とか平静を装おうと、無駄な努力をしつつ尋ねた。