金魚玉の壊しかた







あの日、墓参りからの帰り道で

円士郎は別れ際に、私に向かってこう尋ねたのだった。


「あんたは今、幸せか?」と。


「幸せだ」


私は答えた。


「あの人が幸せならば──私は幸せだ」