ペンダントヘッドは、それぞれ片割れのハートをかたどった物で、ふたつを合わせるとひとつの完全なハートになった。
「アッ!」
リキオの顔に意識がよみがえった。
「ば、婆さんなのか・・・」
「そうだよ、爺さん。お前さん、すでに死んでるんだから、こんなところにいてはダメだよ」
「そうか。じゃ、先にいってるね」
リキオの体が光り、空気にとけていく。そして、すっかりリキオが消えてしまうと、トメの手には二つのペンダントだけが残されていた。
トメは龍の頭から飛び降りると、3回転して砂浜に着地した。
「・・・あたしは病院に戻るよ」
寂しそうにそれだけいうと、来たとき同様、点滴をつるすアレを片手に持ちながら彼女は立ち去った。
龍は行き場をなくしたように頭を浜辺に下ろし、静かに呼吸をしている。
静子とジョナスは、見つめ合った。