「さあ、どいつからペットボトルの餌食にしてやろうかぁ!」
ギラギラと目を光らせる静子に、陸奥はにこやかな笑顔で言葉を返した。
「ちょっと待っててくださいねー。もうすぐ、帝国から動物達が到着するはずですからねー」
「あら、そう。じゃあ待つわ」
そう言うと、静子はまたビールを飲み始めた。
それからしばらくの間、静子は無言で空を眺めながらビールを飲み、陸奥とパタ美は世間話で暇をつぶした。ご近所の老若男女たちは、陸奥の軽バンに集まってリスを触っている者もいれば、家に帰ってしまった者もいた。
静子がビールを半分も飲み終わったころ、トキメキ荘前に、陸奥が乗ってきたのと同型の軽バンが数台到着した。
「送れちゃってすみませーん。陸奥皇帝、とりあえず鹿とかアルパカとか連れてきましたけどー?」
まだ若い女性スタッフが軽バンの運転席から窓を開けて顔を出した。
「あー、ご苦労さーん。じゃあとりあえずみんな出して」
「かしこまりー」