何してんだよ、朝から……。 ん、もう朝じゃないか。


「こらっ、樹! “ちゃんと服を着て出てきなさい”って言ったでしょ」


ヤッベー、まおがいたんかよっ。
Tシャツ持ってきとけば良かったな。


こんな恥ずかしい格好…… 見られたくねー。


これでもそれなりにストレッチとかして、運動部のように体を鍛えていたつもり。

体型だって…… それなりに出来ていると思ったんだが。


「いっくん、早く上を着なきゃ風邪引くよ?」


「ん、あぁ……」


どうやら、無反応。


俺的にはまおがちょっと顔を赤らめて“んもー、早く上着てよッ”って…… 言って貰えたらちょっとは嬉しかったんだけど。


だけど、目の前にいるコイツは俺の期待をことごとく…… イヤ、思いっきり裏切っていく。



「おばさん、ごめんなさい。 急に遊びに来て……」


「ううん、まおちゃんならいつでも大歓迎よ。 …… もちろん、理央ちゃんも」


「ありがとう、おばさん。 ――― 大好きッ」


まおー。
母さんに“大好きッ”って言うんじゃなくて、俺に言ってくれ。


あっ、母さんが頭を撫でた。
頭を撫でられたからって笑ってんな、バカまおッ。