俺は仕事の合間に、ブライダルのフロアに顔を出した。

でも、浅姫の姿は見えない・・・。

ボードに目をやるが、浅姫の欄は空白。

どこかに、いるはずなんだが・・・。

携帯をとりだし、浅姫にかける。

呼び出しは鳴る。が、ずっと、鳴らしても全然出ない・・・。

ふー・・

浅姫、泣いてるな・・。

どこにいるんだ?

フロアを見回す俺は視線を感じた。

課長の奥田さんだ。

「奥田さん。」

俺は迷わず、奥田さんに声をかけた。

奥田さんは黙って付いてこいと俺をフロアから連れ出した。

「浅姫のこと、どうするの?」

「離すつもりはありません。一緒にいた女はアニキの婚約者です。」

「そう・・・。なら教えてあげる。浅姫、衣装室にいるわよ。」

ごゆっくり~と奥田さんは手を振って、フロアに戻っていった。

俺は、教えられた通りに衣装室へ向かった。



























陽輔side終わり