最後の恋

陽輔side

仕事が早く終わって、今日は久しぶりにゆっくり出来る・・・。

そう思ってホテルを出た所で呼び止められた。

呼び止めた女はアニキの婚約者。

多分泣いたであろう、その目は真っ赤だった。

とりあえず、話を聞くのに近くの喫茶店に入る。

話はなんて事ない、アニキの浮気疑惑。

今まで何度となくあった事。

アニキを呼んで話せと言う俺に、女は浮気現場を押さえるのに、付き合えと言った。

アニキは弟の俺から言うのもなんだが、昔から女に困ったことないという女好き。

婚約者がいるのに、別の女性と食事に行ったり、飲みに行ったり・・・。

体の関係はないから、浮気ではないと言うのが自論らしいが・・・。

その女は、もう婚約解消するとまで、言い出す始末で、しょうがなく俺は付き合うことにした。

で、よくアニキが行くらしい居酒屋に行き、酒を付き合わされた。

結局、その日はアニキは来なかったんだけど、女が自力で歩けないほど、酔っぱらってしまい、俺はマンションまで送るはめになった。

タクシーを待つ間、その女は意識朦朧で、俺のことをアニキだと思って抱きついてくる始末。

まさか、その現場をホテルの同僚に見られているとも知らず・・・。

女を送り俺は、自分のマンションに帰った。

時計はもう日にちが変わってた。

最近、浅姫の寝顔しか見れてない。

完全な浅姫不足・・・。

いったい何の為に、一緒に暮らしたんだか・・・・・。