最後の恋

陽輔side

「真野部長、今日の夜、時間ちょっといいですか?」

俺は、浅姫に一緒に住もうと言った次の日、総務部を訪れた。

浅姫の親代わりの部長に、一緒に住む許可をもらう為だ。

もうお互い、いい大人だし許可なんかなくてもいいんだけど。

将来のことを考えてるからこそ、今きちんと許しをもらっておきたい。

浅姫が結婚を考えてはいないの知ってる。

でも、俺は浅姫を離したくない。

そのことで焦らすつもりもないし、無理もしなくても良い。

ただ、そばにいてくれればそれでいいんだ。

今まで女を切らしたことはない俺が、こんなに夢中になるなんてな。

初めて会った日の浅姫の顔が、ずっと頭から離れないんだ。

「いいよ。飯でも一緒に行くか?」

部長はさすがに、浅姫のことだとは全く思ってない。

仕事がらみだと、思っているんだろうな・・・。

「はい。」

結局、19時半に約束した。

そして、浅姫には遅くなるから・・と連絡して仕事に戻った。