最後の恋

課長は実は料理が上手だったりする。

私も人並みには出来るけど、課長の作った物は本当に美味しい。

ご飯を食べた後、二人で並んで後かたづけしてた。

「なあ、」

「うん?」

「ここに一緒に住まないか?」

「えっ?」

あやうく、持ってるお皿を落とすとこだったよ・・・。

ビックリして課長の顔を見る。

課長は私の顔を見て話し出した。

「今だって、ほとんどここにいるだろ?それならちゃんと一緒に住もう」

「・・・・」

「嫌か?」

首を横に振る。

「嫌じゃないよ、でも・・・。」

「でも?」

「迷惑じゃない?」

課長はフッと鼻で笑った。

「迷惑だと思ってるなら、言うわけないだろ・・。」

そう言って、触れるだけのキスをする。

本当に、課長は家にいるとき、というか二人の時はキスが多い。

「それに・・・」

「それに?」

「引っ越すなら、一応、叔父さんにも言わないといけない・・・」

引っ越すことより、こっちの方が大問題。

ただの引っ越しではないのだ。

簡単に許してくれるとは思えないけど・・・。

「そうだな。俺が言うよ、真野部長に。浅姫と一緒に住みたいって。」

そう言って、課長はにこっと笑う。

「・・・・・」

言うって、簡単に言うけど・・・。

「大丈夫。浅姫は心配するな。」

チュ

課長のキスは私の不安をとってくれる、一番の薬かも・・・。