斗馬side


「無理しないで下さい。と美空さんに伝えて下さい。ではここで・・・」

浅姫はそう言うと、来た道を戻ろうとした。

「浅姫。」

俺は浅姫を呼び止めた。

きちんと謝らないと。

「本当に、悪かったな。」

浅姫は首を横に振った。

「アイツに幸せにしてもらえよ・・・。」

これは俺の願い。

俺が叶えてやることが出来なかった夢・・・。

まあ、アイツなら言われなくてもしてくれるだろうけど・・・。

俺をみるあの目は、本物だった。

そして浅姫のことを見る瞳はとても温かかったから。

「うんっ。斗馬にはまけないからっ」

そう答える浅姫の笑顔は、昔と何も変わってなかった。

俺達は手を振って、別れた___。