「歓迎会、行かねーのか?」

顔を上げると、そこには、同期の竹内 直哉(たけうち なおや)がいた。

直哉は2歳上の同期。

このホテルの営業マンだ。

「行くよ・・・。」

行きたくないけど・・。

行かないと、後で真比呂さんと、部長に何を言われるか・・・。

「待っててやるから、早く準備してこいっ。」

勝手に来たのに偉そうだな・・・と思いながら、パソコンの電源を落とす。




「遅れてスイマセ~ン」

小さい声で会場に入ったのに。

「おっそいよ~。真野ち~~ゃん」

大きな声で出迎えられて、みんなが注目する。

いや。しなくていいから。

今日は脇役なんだから。

入り口で固まってると、後ろにいた直哉に早く入れと、押される。

「あれ~?浅姫さん。竹内さんと来たんですかあ~?」

直哉と一緒に来たことを、いち早く坂野さんが気づく。

しかも、大きな声で、叫ぶし・・・。

「違う。そこで偶然会ったんだよっ」

直哉が冷たくそう答えて、さっさと中に入っていく。

坂野さんみたいな子苦手だって言ってたせいか、坂野さんには冷たい直哉。

さっさと、自分だけ中に入っていく。

「浅姫~。ここおいで~」

私は真比呂さん隣に座った。