最後の恋

「もう無理ですっっっ。」

フロアに坂野さんの声が響く。

斗馬と彼女さんの担当になったのだが、両家の要求に坂野さんは根を上げた。

「でもね、いつまでも出来ませんじゃ困るんだよ・・・」

坂野さんの担当はずして欲しいと言う要求は、課長の真比呂さんを越え、部長にまでいっていた。

「でも出来ません。無理ですっ」

ウェーンと、今度は泣く始末・・・。

さすがに、部長も困り顔・・・。

真比呂さんに至っては、ため息も出ないといった感じ。

今の若い子ってみんなこんななの?

ため息しか出ない・・。

「じゃあ、浅姫ちゃん、後任頼むよ。」

「えっ?」

事もあろうか、部長は後任に私を選んだ。

「だって、同じ日に、奥田も仕事入ってるだろ?浅姫ちゃんしかいないんだよ?」

「・・・・」

確かに、そうかもしれないけど・・・。

真比呂さんの担当も人も同じ日に披露宴する予定だ。

「じゃあ、頼んだよ」

「ぶ、、、部長~」

部長はそう言い残していなくなってしまった。

「浅姫さん。お願いします」

さっきまで泣いてた、坂野さんまでもがもう私と決めてる。

はあ~~~

「わかったわよ」

これで、私の元彼斗馬の披露宴担当が決まった。