最後の恋

斗馬side

彼女の美空と付き合って約2年。

3か月前、プロポーズした。返事は急がないと言ったのに、その場ですぐ返事をくれた。

それから、自分の親と、相手の親に結婚したいと報告して、今日、俺は式場選びに付き合わされている。

ハッキリ言って俺は式場なんてどこでも良い。

でも、結婚式って女の子の憧れなんだろ?

一生に一度だけだと思うから、どうせなら彼女の我が儘を聞いてあげたい。

それに、美空のウェディングドレス姿。

うん、想像しただけで顔がにやけそうだ。




美空が式をしたいというホテルに来た。

今日はここで、ブライダルフェアというのをやっているらしい。

なんとか、会場まではたどり着いたものの・・・。

美空が一番楽しみにしていた模擬挙式というのをやってる気配はない・・・。

「スイマセン」

美空がホテルの従業員に声を掛けた。

「えっ?」

そう声がして、顔を上げた。

えっ?・・・・浅・・姫・・・?

そこには7年前に俺の前からいなくなった彼女の浅姫がいた。

7年前、俺の前からいなくなって、探したけど見つからなくて・・・。

けどこんな近くにいたなんて・・・。

俺は浅姫から目が離せなかった。

それは、たぶん浅姫も・・・。

回りの声なんて何にも聞こえなくて、時間が止まった気がした。

目の前に浅姫がいる。

あんなに愛おしかった浅姫が・・・。



「え~~。もう始まってるんだ~。どうしよ~?」

彼女、美空の声で我に返った。

質問を聞いてなかった俺は困り「みーが決めていいよ」と答えた。