課長は私が話している間、ずっと頭をなでてくれてた。

涙が出てきたときは反対の手で涙をすくってくれた。

そんなに優しくしないでという気持ちと、優しくしてほしいという気持ちが交差する。

でも・・・。

「だから、私は課長とは付き合えません。」

はっきり言い切った。

「キャッ」

課長の手が、私から離れたと思ったらぐっと抱きしめられた。

「馬鹿だな、その男。」

「えっ?」

「こんないい女、手放して。」

そして抱きしめてる腕を緩めて私の顔をのぞきこむ。

「俺、欲しいと思ったものは手に入れる主義だから。それに・・・・」

それに・・・?

「課長って言った罰。」

課長はそういって、唇を重ねてきた。

「・・・・んんっ・・・っ」

自分で自分の声が抑えられない。

こんなキス、初めて。

「嫌だったら、拒否して」

課長はゆっくりゆっくり、キスをする。

私ごと、食べられそうなキス。

でも、課長のキスは優しいキスだった・・・。

拒否していいといわれても出来なかった。

どうしよう



私、課長のこと好き・・・。