斗馬side

ガチャ

「・・・。」

無言でドアを開ける。

今日は、あまり帰って来たくなかった。

電気がついてているのが浅姫なら、喜んで帰ってくるのに。

今、家にいるには母さんだ。



浅姫の家族のことを、母さんに聞かれ曖昧に答えてた。

その態度が怪しいと、わざわざ俺のとこまで来た。

俺の家は、昔ながらの風習とか、家柄とか気にする家系で正直俺も気にしてない訳じゃなかった。

でも浅姫と付き合い始めたときは、まだ大学生で、正直ここまで続くとは思ってなかったし、こんなに俺が浅姫にはまるなんて・・・。

だから、どうにかうまい具合に・・・と思ってはいた。

でも、思いとは裏腹に全然良い案なんて浮かばなくて

もう、こうなりゃ正面からむかってやる!と思って、浅姫を実家に連れて行ったのだ。




「おかえり」

母さんが俺を出迎える。

「・・ただいま。」

俺の姿を確認すると母さんはキッチンに行った。

「ご飯食べる?」

「ああ。」

何か作ったのか?

俺の家の冷蔵庫なんてビールとかしか、入ってなかったよな?

「買い物行ったんだ・・・?」

「・・・。」

ん?

なんだよ・・・?

まあ、いいや。とりあえず腹減ったし、飯食ってからゆっくり説得しなきゃな。