お母さんは、斗馬に私の実家に行く日は決まったのかと、何回か連絡したらしい。

曖昧に答える斗馬に、母の勘が働いた。

斗馬に問いつめると、私の家庭の事情を少し話したらしく。

詳しく教えようとしない斗馬に、しびれをきらして来たというわけだ。

「で?どうゆうことかしら?」

お母さんが聞いて来る。

「斗馬・・さんはどこまで?」

「あなたの、お母さん亡くなったと言うことは・・・・」

「そうですか。」

斗馬と結婚するとなると、いつかは話さなきゃいけないことだ。

私は、意を決してゆっくり話し始める。

母が、シングルマザーだったこと。

父は知らないこと。

母が、病気で小学生の時に亡くなって、それからは叔父の家にお世話になってたこと。

でも、叔父の家は高校卒業と同時に出て、今は一人暮らししてること。

「・・そう・・・」

お母さんは、ずっと黙って聞いていた。

「あの、こんな事言って良いのか・・・。」