最後の恋

おかあさんは、昨夜夜行バスで来たらしい。

今朝着いて、斗馬とは10分くらいしか会ってないとか。

「何か、食べました?」

「いえ、まだ・・・。冷蔵庫も何も入ってなくて。買い物行こうにも、わからなくって。」

「じゃあ、これ。今作りますから、待ってて下さい。」

私はキッチンに行き、ご飯の用意をする。

「手伝うわよ。」

お母さんもキッチンに来る。

「良いですよ。座ってて下さい。」

お母さんには座っててもらって、一人で作り始める。

今日は、斗馬の好きな肉じゃがだ。

お母さんも食べるとなると、緊張する。

おいしくないって思われたくない。

肉じゃがを作りながら、ごま和えと、おみそ汁も作る。

「よしっ。出来た」

出来上がって、私もリビングに行く。

「・・・・。」

・・・・・

お母さんも何も言わない。

き、気まずい・・・。

携帯を出して、メールを確認したりするけど、斗馬からは何もきてない。

ふー・・・

お母さんに聞こえないように、ため息をつく。

「あのー・・」

お母さんが口を開く。

「はい?」

「すこし良いかしら。」

「はい」

空気が少し、重くなった気がする。

お母さんはゆっくり口を開いた。