それからは、奥田さんに手を引かれ、撮影現場になってる会場に足を踏み入れた。

そこには叔父さんもさっき、勘違いした花婿の仲野さんもいて。

叔父さんは私のドレス姿に目をウルウルさせてた。

そして、私はイメージモデルとして、それからも何回か撮影に使ってもらって、

いつも、私を変身させてくれる奥田さんに憧れて、同じ仕事に就きたいって思ったんだ_________。








私は、プランを練るときはここに来ることが多い。

近い場所の方が、イメージしやすいからだ。

今回は、冬だからなあ・・・・。

チャペルのいすに座りながら、目をつぶる。

頭の中で、イメージを思い浮かべる。

笑顔の花嫁、そして、その花嫁を優しい笑顔で見つめる花婿。

そして、冬・・・

冬の花嫁・・・・




「こんなところで、寝るなよ?」

突然、聞こえた声にびくっとする。

振り返ると、そこには直哉がいた。

「寝てないわよ。考え事してただけ。」

直哉がバージンロードを歩いて近づいてくる。

「浅姫、昨日いつ帰ったんだよ」

あ、そうだった。

直哉送ってくれるって言ってたんだっけ。

「ごめん。具合悪くて・・。」

「一人で帰んなって、いってんだろ」

直哉は知らないんだ。

課長に送ってもらったこと。

「ごめん、でも、すぐタクシー乗ったから。」

これは事実だ。

「そうか・・・。ならいいけど・・・。」

直哉が立って、来た道を戻る。

2,3歩歩いて、直哉は止まった。