裕香とマキコ以外、2組は全員すわっている。それも空気が重すぎる。

でもそんな中、テンションがいつもたかいマキコは普通にしている。

「きゃっみんなすわっとるし!てかうちの席どこけー」

「マキコここじゃんばあか!ってかうちこそどこよっ」

つられてハイテンションになってしまう。周りは静かなままだ。

今はイケメン探しをするタイミングではないな・・・裕香は察した。

ガタンっ・・・

とりあえずすわった。クラスはシーンと静まり返っている。

ガラッ!

そこへ、女優の「○藤あい」似の担任らしき人物がはいってきた。

「はいっでは体育館に移動します。背順で廊下に並んでー」

みんながガタガタと席を立ち始める。自分もその一人である。

裕香は背が160超えしているため背順だといつも後ろだ。

でもそのかわり、前はマキコ。二人して背が高い。

「・・・よかったねっ・・・背おなじくらいで・・・」

マキコが小声でしゃべる。そして担任の合図がかかる。

「進みますよーちゃんとついてきてくださいネ。」

トコトコと歩く音が廊下に響く。

そして体育館からは吹奏楽部の入場行進演奏が聴こえてくる。


階段を下りると体育館の扉があった。

そして演奏にあわせて入場する。この曲いい曲だな・・・

お気楽にしていると、前のヒトとの間があいてしまった。

急いで走ると先輩からの笑い声がかすかに聞こえた。

(ハズ・・・っ)