それから、俺らは、海斗の部屋を見て、しばらくして、また、翔太くんの運転で、家に帰ってきてん。
海斗のおばちゃんが、海斗の遺体は、明日の朝1番で、帰って来るからお昼には火葬場で、焼いてもらうって、海斗をはよ、おじさんの所へ送ってやらなって。
せやから、俺らは、次の日、全員と、俺らのオカンとかも一緒に葬儀場に向ってん。
みんなへは、翔太くんが、すべて、話してくれて、省吾くんが話を回してくれたみたいやった。
しばらっくすると、煙突から、白い煙が昇り、海斗が空へと消えて行ってん。

その後、全員で、骨を拾う時になって、初めて真莉が、声を上げて泣き出してん。
俺は、そんな真莉をひたすら、きつくきつく抱きしめた。
それと同時になんで、俺は、気付いてやれんかったんやろう?
なんで、俺は、海斗に何もしてやれんかったんやろう?って後悔と悔しさと自分への情けなさが、一気に心に流れ込んできてん。
その時、海斗のおばちゃんが言うた。

海斗母『みんな、よう聞いてや!
この話は、話したら、アカン!
ええ、スキャンダルになるだけや!
おばちゃんは、うちのバカ息子のせいで、みんなの将来を壊したないねん!
せやから、絶対に喋ったら、アカン!
その事は、海斗も望んでへん!
おばちゃんも海斗も、みんなには、ビックになってもらいたいねんからな』

俺は、自分を責める事無く、海斗の希望を叶える為にがむしゃらに仕事を頑張るって、海斗にもおばちゃんにも誓ってん。

それから、しばらくして、おばちゃんは、オカンたちも知らないうちに、どこかへ引っ越していってしもうてん。